馬場馬術とオリンピック日本代表

オリンピック夏季大会での馬術競技は、馬場馬術、障害飛越競技、総合馬術の、3種目の競技が行われます。その中のひとつ、馬場馬術は馬をいかに正確に美しく運動させる事が出来るかを競う競技です。2008年に開催された北京オリンピックには、馬場馬術競技の日本代表として、法華津(ほけつ)寛選手が選ばれました。法華津選手は67歳で参加となり日本で最年長のオリンピック選手となりました。この記録は、1988年ソウルオリンピックの馬場馬術に出場した井上喜久子選手の63歳を塗り替える記録です。馬場馬術競技は、人馬一体の優雅さ、正確さ、運動の活発さ、美しさなどが、審査の対象になります。この他に騎乗者の姿勢や態度、礼儀作法も重要な審査項目とされています。騎乗者は礼帽・礼服、馬も尻尾やたてがみを奇麗に編み込んでの大会参加になります。馬術歴50年以上という法華津選手は北京オリンピックでは、初日の競技で、馬がスクリーンを怖がり後ろ向きになるアクシデントがあり上位進出とはなりませんでしたが、愛馬”ウイスパー号”に声をかけながら刻んでいた華麗なステップが印象的でした。次のオリンピックでも法華津選手の馬場馬術が見たいと思います。

障害飛越競技と総合馬術

障害飛越競技とは、障害馬術とも呼ばれ、飛び越さなければ通過できない障害が設置されたコースを乗馬して、通過する技術を競う競技です。障害物に触れてバーを落下させたり、馬が騎乗者に反抗したり、障害を避けてしまったり、障害の前で止まってしまった場合に減点の対象になります。又、タイムも審査対象となっており、規定タイムを通過していまった場合も減点されてしまいます。落馬、馬の転倒、障害の順序を間違えての飛越の場合は失権となってしまいます。馬場馬術と同じく、障害飛越競技も礼儀に関してのルールがあり、服装は礼服または軍服の正装が義務づけられています。総合馬術は3日間にわけて競技が行われる為、3日競技とも呼ばれています。1日目に、調教を競う馬場馬術、2日目に耐久を競う野外騎乗、クロスカントリー、3日目に余力審査として、障害飛越競技が行われます。3日間の合計の点数によって順位が決定されるます。総合馬術は騎乗者の技術と馬の体力や勇気が問われる競技です。北京オリンピックでの障害飛越競技には杉谷泰造(すぎたに たいぞう)選手と佐藤英賢(さとう えいけん)選手、総合馬術 には、大岩義明(おおいわ よしあき)選手が選ばれ、日本代表としてオリンピックに参加しました。

ブリティッシュ馬術とウェスタン馬術

オリンピックでの馬術競技は、ブリティッシュ馬術の流れを汲む競技です。オリンピックの中では動物を使用する唯一の種目である事と、選手の男女が区別されない唯一の種目でもあります。ブリティッシュ馬術はヨーロッパの貴族社会のたしなみを反映した流派です。礼儀作法を尊重しており、公式の場ではタキシードや軍服などの正装着用となっています。馬術にはこのブリティッシュ馬術の他に、オリンピックでは採用されていませんがウェスタン馬術があります。ウェスタン馬術は、アメリカ西部・メキシコなどの牧場で、馬に乗って働く牛飼いである、カウボーイの仕事から端を発した馬術といわれています。服装は、カウボーイハット、バックル、ジーンズなどの、ウェスタンファッションが正装です。アメリカの西部劇などでみられるファッションと馬術といえば、おなじみなのではないでしょうか!ウェスタン馬術はブリティッシュ馬術に比べ、さまざまな決まり事にとらわれないで乗馬そのものを楽しむことが出来ると捉えることも出来ます。ブリティッシュ馬術とウェスタン馬術は流れは違っても馬を愛し人馬一体となって楽しむスポーツだということは共通しています。

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